展覧会企画

「発掘された珠玉の名品 少女たち ー夢と希望・そのはざまで 星野画廊コレクションより」巡回開催中

本展覧会はこれまで数多く開催されてきた美人画展とは少し趣が違う。上村松園や鏑木清方そして伊東深水ら、いわゆ る美人画の大家と呼ばれる巨匠画家たちの絵は1点もない。多くがこれまで聞いたことのない画家、それどころか作者が 分からない、分かっていても経歴が定かでない無名の画家たちの作品が多くを占める。とはいえそれらの作品がたとえ巨 匠たちの絵の隣に並べられたとしても、独特の味わいと香りを奏でており、ある種独特の共感と感動を観者に与えること 必須であろう。
この国の美術鑑賞というものが実に長い間に亘って、美術史の中で先導的役割を果たした大家中心の名作主義に偏って きたために、美術好家の視線が偏りすぎて、自らの心眼で美術作品を楽しむことが妨げられてきたように思える。もっと 自由に楽しく美術作品を鑑賞できて楽しむことができないものだろうか、そうした願いを込めて本展は企画された。

本展に集められている作品は、明治時代から大正を経て昭和時代までの軸装・額装の日本画と洋画作品、総数122点に及ぶ。それらは流派や知名度にはおよそこだわらずに、ただ作品の質だけを見極めるという態度で一人のコレクターによ り蒐集されてきたものである。 それらは今、文字通り「珠玉」 の名にふさわしい独特の光沢と存在感を醸し出している。

展覧会の基本テーマは「少女たち」。童女から少女、そし て妙齢の時期をすぎて彼女たちは様々な人生を歩むことにな る。どのような環境に置かれても、作品に描かれた彼女らが抱いた夢と希望は、明治から昭和の時代まで様々な社会的背 景を乗り越えて現代へと伝承されているのである。

開催スケジュール

【終了】2023年7月15日(土)~9月10日(日) 京都文化博物館(京都)
【終了】2023年9月23日(土)~11月12日(日) 福島県立美術館(福島)
【終了】2023年11月18日(土)~2024年1月21日(日) 新潟市美術館(新潟)
2024年07月06日(土)~2024年09月22日(日) 高知県立美術館(高知)

以降、巡回予定

展覧会の見どころ

洋画・日本画問わず、少女たちの作品がずらり

展覧会オリジナルグッズ

ペーパーバッグやカードミラーなど、オリジナルグッズを販売!

発掘された珠玉の名品 少女たち
—夢と希望・そのはざまで 星野画廊コレクションより

定価:3,190円(本体2,900円)
監修:上薗四郎
アートディレクション:林琢真
判型:B5変
総頁:200頁
製本:並製
ISBN:978-4-86152-919-1 C0071

画像はすべて©Naoko Machida