展覧会企画

京都工芸繊維大学
美術工芸資料館コレクション
日本のポスター展

京都工芸繊維大学の前身校のひとつである、京都高等工芸学校の図案科では、明治35(1902)年の設立当初から、欧米の最新のデザイン動向を教えるための教材として、教官みずからが集めたものも含めて、多くのポスターを積極的に収蔵してきました。

開学当初の教育方針により、初期に収蔵されたポスターのほとんどは、欧米、とくにフランスを中心としたヨーロッパのものです。そのなかには、初代の教官である浅井忠や武田五一がヨーロッパで購入してきたポスターも含まれています。ジュール・シェレやロートレックなど、本館を代表するポスターはこの時期に収蔵されています。

京都高等工芸学校が設立されて程なくすると、日本でもようやくポスターが街を彩るようになってきました。最初は画家の描いた絵に文字を加えるような絵画的なものでしたが、やがて、デザインに趣向を凝らすポスターも登場します。杉浦非水の代表作である《東洋唯一の地下鉄道》などはその典型的な作品です。 

この展覧会では、京都工芸繊維大学美術工芸資料館が収蔵する日本のポスターのなかから198点を選び、それを5章9つのグループに分けて展示します。オリンピックや万国博覧会といった現代史のエポックとなる出来事もポスターによって辿ることができ、お酒やお菓子といった嗜好品の変化や、時代とともに変わるファッションもポスターから読み取ることができます。一方で、初期の絵画的なポスターから、デザイナーによるポスター、印刷技法の変遷や写真の登場といったポスター史の変遷もわかるように工夫しました。

華やかなポスターを通して、時代の様相や社会の変化を感じ取っていただければ幸いです。

会場・会期

丹波市立植野記念美術館
2020年6月2日(火)~7月5日(日)

関連書籍

『日本のポスター 京都工芸繊維大学美術工芸資料館 デザインコレクション3』
著者:並木 誠士  和田 積希
監修:京都工芸繊維大学美術工芸資料館