展覧会企画
描かれた「わらい」と「こわい」展 ─ 春画・妖怪画の世界 ─
中世から近世にかけて、日本人は絵巻や浮世絵で日常のなかの目に見えるもの、あるいは形なきものを視覚化してきました。日常の「表と裏」、「この世とあの世」。そこには今以上に境目があいまいな世界が広がっています。本展覧会では、「笑い」と「怖い」という一見相反するテーマのもと、国際日本文化研究センター(通称、日文研)所蔵の妖怪・春画コレクションをながめ、恐怖と笑いが地続きで繋がる前近代の豊かな日常をみていきたいと思います。
日文研は、1987年に日本文化に関する国際的・学術的な総合研究と世界の日本研究者に対する研究協力・支援を行うことを目的に設置され、その創立初期より妖怪画や春画の収集・保存を進めてきました。これらの資料は日本文化を考える上で欠かせない要素であるにも関わらず、これまで学術的に扱われることがほとんどないものでした。近年民俗学、美術史、社会史など多様な視点から再発見、再評価の動きが起こっています。
本展覧会では、日文研が現在所蔵する妖怪・春画のコレクション750余点のうち、精選された約200点を紹介いたします。日文研コレクションを本格的に展覧される初めての機会となります。どうぞお楽しみください。
会場・会期
細見美術館
2018年10月16日(火)~12月9日(日)